今年のお正月に、仏壇の前で親父に手を合わせた時のこと。
「私のことなんかどうでもいいから子供たち三人をお守りください!」
と必死に拝んでいた。
本当に自分のことなんかどうでもよくて、自分が生んだ子供たちの事しか考えていない。
子供思いの母親の見本のような人だ。
それから、
生まれてから僕に対してただの一度も嘘をついたことのない、僕がこの世で知る限りたった一人の人間だ。
どこまでも正直な人だ。
そういう母を僕は誰よりも尊敬する。
一方で僕の父は、
本当に残念な事に、
自分が生んだ息子や娘に平気で嘘をつく人だった。
だから、僕は父をあまり好きではなかった。