この曲を書いたのは2012年くらいだったと思う。
当時、毎月1回日曜日に本厚木のイトーヨーカドーで定期イベントライブの出演兼運営を任されていた。
毎月の出演者のブッキングに頭を悩ませながら、同時に面白くもあった。いろいろな歌い手やミュージシャンとの出会いがあったし、運営スタッフにも愉快な人たちが多かった。楽しい時間だった。
この頃は、僕の父はまだ生きていた。その一方で母がみるみる年老いていくのが目に見えて判った。そんな状況を歌った歌だった。
この頃に僕が作っていた歌は、「バナナチャージ」「横浜シュウマイ崎陽軒」等、メロディーはキャッチーだが歌詞はコミカルだったり芝居がかったものがやたら多かった。
その中で、珍しいくらいにリアルな気持ちやリアルな生活を歌ったのが、この歌だった。
あれから5年後の2017年に、父が亡くなった。それを境に、母の老化が急加速した。体は元気だが、認知機能が急降下し始めた。
父が亡くなった2017年から2018年に掛けて、僕の人生にとってとても重要な歌を作り始めた。僕と父と母と兄弟との係わり。僕の人生にとって最も根幹的なテーマ。これが、今まで僕が作った歌の中ですっぽり抜けていた。
そして、死ぬ直前まで葛藤が続いていた父への供養を込めた。
この、僕が作らなくてはならないアルバムを、3月くらいにはリリースできそうだ。
このアルバムの中にも「お買いもの」が収録されているが、曲が同じでも全くの別ヴァージョンだ。全編”静かで穏やかな感じ”で統一したアルバムの中で、ポップで賑やか過ぎる感じのこのヴァージョンは少し浮いてしまう。4~5年くらい前の録音だから、厚木時代のがちゃがちゃした感じを引き継いでいるのだろうか。どういう形で収録しようか、迷っています。もう少しトリートメントしてみて、収められるかな?
2017年2月に町田のイベントで手売りしたCDの中に入っている同曲とも少しヴァージョンを変えた。新しい録音パーツと新しい編集が入っている。そして、192kHz24bitのハイレゾ音源版も同時リリースされるので、3月発売予定のアルバムリリース後はそちらもお楽しみください。