この曲を初めて聴いたのはラジオで流れた時だった。中学生くらいの時だっただろうか。
あまりの曲の良さに衝撃を受けた。
高校生くらいになって金が溜まったころにシングル盤を買った。この動画にも出てくる緑色のりんごのロゴが大きく描かれたレーベルのやつだ。
当時はAppleといえばApple Records。ビートルズが作ったレコードレーベルの名前だ。
今はApple といえばいわずと知れた巨大IT企業のことだ。時代は流れた。
さて、僕がこの曲と出逢ってから数年後、盗作疑惑のニュースを耳にした。1960年代初期にシフォンズというガールズグループが放ったヒット曲「He’s So Fine」と曲が似ているということで、シフォンズの関係者から訴訟を起こされた。そしてジョージ・ハリスンは敗訴して賠償金を支払った。
調べてみると、敗訴が決まったのは1975年。もしかしたら僕が「マイ・スウィート・ロード」のシングルを買う前だったのかもしれないな。
何しろこの頃はインターネットがなかった時代。海外の音楽に関するニュースが日本に伝えられるのは遅いし、マスコミが取り上げてそれを自分がタイミングよくキャッチしない限り情報が決して得られなかった時代だ。新聞・雑誌・テレビ・ラジオの情報はすぐに流れて消えてしまうし、あとから検索なんかできないからね。
そんな不自由な時代だったが、逆に情報が少ないゆえに、この曲のアレンジを含めた楽曲の素晴らしさを心ゆくまで堪能できた。良くも悪くも情報不足な時代だったこその幸せだ。
盗作疑惑の真相がどうだろうと、初めてこの曲をラジオで聴いた時に全身に走った感動の確かさは今でも変わらない。