この映画の公開当時の僕は22歳。新宿の映画館まで観に行った。その頃片思いをしていた女の子も坂本龍一が好きだった。
このテーマ曲を初めて聴いた当時は、正直言ってまったくピンと来なかった。ガムランの楽器が鳴ってるなあっていうだけの印象だった。坂本龍一さんの作品だからきっと良作なんだろうけど、氏の前衛的な音楽の印象とは違ったというのもあったのだろか。
でも、時代が経つにつれて、この曲の美しさ・切なさをだんだんとしみじみ感じるようになった。映画公開後にリリースされた坂本龍一のピアノインストアルバム「Coda」収録のピアノヴァージョンの影響が時の流れや自分自身がピアノの練習を始めた20代終わりくらいから僕の感性の中でとても美しく響きはじめ、このオリジナルサウンドトラックを聴いても、実に美しい。そして時代を超える名曲だなあ。
映画本編も大島渚監督の映像だけあって、ワンカットワンカットがひとつひとつ美しいし緊張感が漲っている。
龍一さんもたけしさんも若いし、デヴィッド・ボウイと坂本龍一という二大音楽人の共演ということでも注目を集めた作品だった。