この前の日曜日にPrime Videoで「ジョーカー」を観た。内容があまりにも悲惨で、観ている途中で気分が悪くなってしまった。こんな映画が全米で大ヒット・・・・改めてアメリカが抱える闇の底知れぬ深さを感じてしまう。
貧困・差別・孤独・病気・児童虐待・母親介護という状況でどんどん狂気へと追い込まれやがては次々に殺人を犯してしまう主人公の悲惨な日常が描かれ、鑑賞後の後味の悪さが半端なく、エンディングロールに入ったところでビデオを止め、気持ち悪いから布団に突っ伏してしばらく眠ってしまった。
ストーリー面で下敷きにしたと思われる「タクシードライバー」(1976年公開)を観た後とは全く違う。「ジョーカー」はとにかく陰惨で光が全く射さない闇の世界を見せられてしまう。
まだ”アメリカンドリーム”という言葉がリアリティーを保っていた1970年代のアメリカではなく、文明が発達しすぎて金融が暴走して世界情勢が激変してますます袋小路に追い込まれた現在のアメリカをそのまま描き出したらこういう世界観になってしまった、という事なのかもしれないが。
主人公が介護している自分の母親を絞め殺してしまうシーンでは、もう、本当に不快になってしまった。
母親を心から尊敬することができる僕にとっては理解できない主人公のシチュエーションだが、それは同時に僕が幸せだという事だ。