レコード会社の専属作曲家としての契約を得た主人公の祐一だが、作っても作っても曲が採用されない。煮詰まっていた最中に飛び込んできた早稲田大学応援歌の話にも気が進まない。そんな中である日、応援団長の野球に懸ける熱い想いを聞き、心を動かされる。そして起死回生の新路線となる「紺碧の空」を作曲する。
この応援歌を引っさげて、負け続けていた宿敵慶応大学との早慶戦に念願の勝利を得た早稲田。お礼を申し上げようと祐一夫婦の元を訪れた早稲田大学応援団が、ラーメン屋の屋台の前で団員一同「紺碧の空」を歌う。
団員の笑顔と躍動感のある動きに合わせて高揚感のあるテンポとメロディー。まるでダンスミュージックだ。
ソヤ太郎を思い出した。弾き語りシンガーソングライター活動の中で行き詰まりを感じていた僕が、もともと好きだったビージーズ等のディスコ・ミュージックを思い描きながら楽曲を作った。
格好やパフォーマンスがおちゃらけ過ぎて当時流行りのリズムネタ系お笑いと勘違いされた。ミュージシャン仲間からは冷たい目線で見られたなあ。
あまりに音楽がフォーカスされなくて嫌気がさしたのと、僕もソヤタケシ君もプライベートがとても大変になってしまいライブ活動を行なうことが難しくなったという二つの理由で、ソヤ太郎は無期限の活動休止となってしまった。
ライブ活動は休止しているけれど、「さかなクンだYO!」「OH!寿司の日」「つらいね!社長」「What’s Up 渋谷」「あゆ祭り」等の楽曲がtiktokで世界中のユーザーに使われて、ソヤ太郎ミュージックだけがひとり歩きをはじめた。ささやかではあるがごく一部の人々に「音楽」として認知されている今の状況は、正直非常に嬉しい。
僕は22歳の作曲家ではないしレコード会社と契約もしていないから、エールの主人公のようなヴィクトリーロードは望めない。
でも、僕がやってきたことが全くの無駄ではないということ。これは自分の心に強く留めておきたい。