祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。

以上、「平家物語」のあまりにも有名な冒頭の一節。
これって、凄くね?
世のなかの全てが常に移り変わり儚く、
永遠のものは何一つ無いっていう真理。
高度経済成長→バブル→ベルリンの壁崩壊→リーマンショック→コロナ
この間の移り変わりたるや凄いものがある。

音楽業界ひとつとっても
ソノシート→レコード→CD→デジタル配信
とこれまた凄まじく移り変わっている。メディアの変化とともに産業構造も大きく変わってしまった。
まあ、58年間も生きていれば、そういう時代の変化には普通に気づく。

平家物語は鎌倉譜代に書かれたといわれていて、戦争という命がけの戦いが日常的に在って「死」と隣り合わせに生活している昔の人々は、物事を悟るスピードも違うんだろうなあと感じる。十代で元服して結婚していた時代だから、大人になるのも早いんだろうね。鎌倉時代の平均年齢は24歳だから、死ぬのも早かった。そりゃあ悟るよね。