藤井風さんを神格化するつもりはないんじゃ。
無垢で純粋な彼の精神と考え方に驚嘆するんじゃ。
まずは「帰ろう」というとてつもなく美しいメッセージを持つ歌の歌詞の1節じゃ。
憎しみあいの果てに何が生まれるの
わたしが わたしが先に忘れよう


次は、藤井さんが唯一マスコミに登場したANNニュース「報ステ特集」でのインタビューで語った言葉じゃ。

HELP EVER HURT NEVER
常に助け 常に傷つけない。

助ける。与える。見返りは求めない。冷たくされても嫌がらせをされても恨まない。すべて許す。
右のほほを打たれたら左のほほを差し出すイエス・キリストみたいな考え方だ。この驚くべき純粋さが育まれたのは、藤井さん自ら語るようにお父様の影響が強いんだろう。
でも、どんなに素晴らしい父の教えも現実の生活の中でグチャグチャにされて歪んでいってしまうのが普通だよね。
藤井さんの場合は、岡山の田舎の中で音楽と楽器とインターネットに囲まれて実家である喫茶店の一室から全世界に動画を発信し続けた。そして恐るべき才能がパソコンやスマホの向こう側にいる人々を魅了しファンベースを形成していった。そして音楽で食えるようになってしまった。
見事な才能の純粋培養。
従来のポピュラーミュージックの世界は芸能界に属していた。よく知られるとおり根回し談合あたりまえの世界。まあ、実業の世界ってそうなんだろう。でも、音楽家の魂はいつも純粋だ。だからスーパースターになった末に闇に翻弄されておかしくなってしまう例が後を絶たない。
でも、デジタル革命とSNS文化の浸透で、誰もが情報を発信して世の注目を集める事が可能になった。
ニコニコ動画やYoutubeでメジャーに属さなくてもビジネス展開できるアーティストが次から次へと現れた。
そして今や、アーティストが顔さえ出す必要がなくなってしまった。音楽だけで勝負できる時代。ミュージシャンにとって理想的な世界だ。
もう芸能界はお笑い・俳優・アイドルに任せて、ミュージシャンは創造的な作業に専念できる。そんな理想的な時代がやって来たのだ。