ロック史上最高の名曲のひとつ。Ziggy Stardust。イントロからエンディングまですべてがキャッチーでシャープでスタイリッシュで、一部の隙もない完璧なサウンド。
僕がまだ小学生5年くらいの頃、レコード屋でもらった新譜紹介の小冊子の広告ページに、「ジギー・スターダスト」が載っていた。デヴィッド・ボウイもグラム・ロックも何が何だかわからないし、聴いたこともなかった。その頃僕が好きだったのは糸居五郎さんの「ポップス・ベストテン」で掛かる洋楽ヒットだった。カーペンターズとかスージー・クアトロとかヘイウッズとかだった。だからアルバム「ジギー・スターダスト」は聴いてみようとも思わなかった。そして何の興味も示さないまま、22歳だか23歳だかの頃に初めて聴くことになったのだった。
で、なぜ何の興味も示さなかった「ジギー・スターダスト」の広告を僕が強烈に覚えていたのかというと、タイトルだった。「ジギー・スターダスト」「Ziggy Stardust」この言葉の響きとイメージがやたらかっこよくてイケていて、脳裏にはっきりと焼きついていた。あとは、このタイトルに加えてアメコミ風のアルバム・ジャケットが当時アメリカかぶれへと進み始めた僕の嗜好性とも抜群にマッチしたのかもしれない。