もう3月か。すごく天気のいい日曜日だった。お天道様が外に出て散歩でもしようと僕を呼んでいる。しかし僕は部屋の中でやることがある。もちろん、アルバム制作作業だ。
全収録曲のトラックチェック。この日とその翌日は、主にヴォーカルトラックのノイズ消去作業に持てる時間を費やした。録音トラックの雑音部分をピックアップして消去する作業だ。地味で手間が掛かるが、必要不可欠でここを避けては通れない。
しかし、もっと地味で手間が掛かる作業がある。ミックスダウンだ。何しろ自分でゼロから作っている曲なので、完成に至るまで同じ曲を何百万回何千万回何億回聴くかわからない。耳にたこができまくる。そうなると、自分の作ったトラックに対する客観的な判断が難しくなってしまう。
だから、できるだけ客観性を保つために時間を置く。作業と作業の間を空ける。そうして耳と感性をリフレッシュしてから、また同じ楽曲を聴く。そうすると、このまえ気づかなかった部分がフォーカスされてくる。ヴォーカルのこの部分がバランス大きすぎるだとか、ここのシンバルがうるさいから下げなくちゃとか、ちょっと低音出すぎてるから絞ろうだとか、その都度いろいろな修正点が新たに聴こえる。
この追い込み作業が、いちばん時間が掛かる。湯水のように時間が掛かる。二年前からどんどん使える時間が少なくなっているから、制作時間が延び延びになってしまう。
プロじゃないから、空いた時間で音楽創ってるんだから、しょうがない。