以前にMRI検査を一度だけしたような記憶があった。あの体全体が筒の中に入るやつだから、覚えている。だから年の暮れも差し迫った12月30日に、余裕のよっちゃんで僕は病院に向かった。
しかし検査が始まってから唖然とした。とにかくうるさい。やたらうるさい。けたたましい電波音が筒全体に響き渡る。遮音のためといってヘッドフォンを装着して終始音楽を流しているのだが、そんなもの焼け石に水が如く全く効果がない感じですさまじい騒音。
騒音が一時的に止む時に音楽が聞こえる。ピアノのインストだった。しかし十数秒後にはまた騒音の渦の中に叩き込まれる。
体一つがやっと入る程度の空間で長時間騒音を聞かせられ続けたら絶対気が狂うに違いない。そんな拷問レベルの検査は35分間続いた。
そして「終わりましたよ」という検査技師の声で目が覚めた。なんとこんな騒音の中で僕は検査後半に眠っていたらしい。我ながらすげーなあと思った。
しかしほとんど絶え間なく騒音を聞かされ続けたあとの強烈な不快感が検査後一日くらいは残っている。早くリフレッシュしなければ!
さて、電波音攻撃の合間に聴こえて覚えているのがこの曲だ。Aメロが聞こえて「あれ、この曲こんないい曲だったっけ・・・・」と印象を新たにした。ピアノインストで存分に曲の良さが伝わるのだから、本当に優れたメロディーなんだろうね。
それがホイットニー・ヒューストンの2枚目のシングルにして初のヒットかつビルボード全米1位のミリオンセラーを記録した大ヒットナンバー「Saving All My Love for You」だった。