僕の髪は、母の髪のカットのついでだった。いっしょに美容院に行くので、ちょうどいいからやって貰った。
昔は違ったが、今の母は髪を綺麗にすることを面倒くさがる。認知機能が落ちてくると皆そうなる。そしてこれが望ましくないのだ。
身だしなみを整えて若い気持ちを思い出すと、それだけでも脳に刺激を与えることが出来る。お店のスタッフと話して他人との会話も出来るので、これも脳に刺激を与えることが出来る。青木家の定期イベントにするのは、悪くない選択だ。
この僕達が行った美容院は駅のそばにある。
いつもなら人でごったがえし、駅前までの狭い道路は駐車場街の車がいつも並んでいる。このあたりでも特に込む場所だ。
しかし、今日はさすがに道も駅前もすいていた。出入り口ドアのガラス越しに見えるショッピングモールの店内もすいているようだった。
美容院の駐車場から出ると家の方向に走り出した。途中で母のお気に入りのスーパーによった。混んではいないがすいてもいなかった。駅前や繁華街には皆行かないが、駅から離れたスーパーや車に乗らないといけない郊外のスーパーはけっこう利用されるみたいだ。やっぱり、今はみんなコロナウイルスの影響で地域にこもっているんだなあ。