白髪を染めてから三週間が経った。
風呂から上がったら、まず髪の毛をヘアドライヤーで乾かしながらヘアスタイリングする。
朝も出勤前にドライヤーでヘアスタイリングをする。
僕の人生の中でこんなにドライヤーを日常的に使うようになったのは、おそらく初めてだ。
若い頃は、ドライヤーは使わなかった。ムースとかディップを付けて、ブラシで髪をとかした。でも、僕は髪の毛に気を使わない若者だったので、ブラシなんか使ってたのは十代の頃の数年間だけだ。
そんなヘアスタイリング・ガラパゴスと化した僕にとっては、ヘアスタイリングはコームやブラシを使うものだと思っていた。
しかし、違った。
ヘアドライヤーの熱風の勢いを利用して髪の毛に癖を付けて整える。これが今のヘアスタイリングだった。
毎日熱風を掛けるから、今までよりも髪は痛むだろう。ヘアカラーの痛みもあるだろう。
しかし、髪の毛が黒くなってしまって前頭部の薄毛が目立つようになってしまうと、髪の毛を整えないととんでもなくみっともなくなってしまう。
もう既にサイは投げられた。
遅まきながら、ヘアスタイリング道を歩き始めた。
この道を行けばどうなるものか。危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし、踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ 行けばわかるさ。イーチ。ニーイ、サーン、ダーーーーーー!