ゴールデンウィーク明けの新作アルバムリリースを延期にした。
僕の生活的にはこれで良かった。
僕はプロのミュージシャンではないから、まずは自分の生活が第一。
この三週間のあいだ、母のデイケアサービスが休業中だった。その間、母の認知症の進行が急降下しないかを注意深く観察しながらの生活。
4日の月曜日、母といっしょに近くをゆっくりウォーキングした。普段通る道から少し中に入った細い道を通ったりしながら、昔と変わったねえ・・・と話しながら、母の中の記憶の糸を引っ張り戻す。
僕自身の記憶の糸も引っ張られた。洋楽に夢中だった中学校時代や、曲が頭の中に思い浮かぶようになって内に篭りはじめた高校生時代。夢と苦悩でいっぱいだったな・・・・
大人になって苦悩には慣れてしまった。人生とは思い悩み続ける道なんだというのが事実でしょう。成功できなくても成功しても、それぞれみんな悩み続ける。だから作曲家として大成功した井上大輔さんや加藤和彦さんが自らの命を絶ってしまう。人生は苦悩の連続。
では夢は消えてしまったのかというと・・・・たしかに十代の頃のように大成功するというようなとてつもない夢は無い。
ささやかな夢だけが残っている。音楽配信で毎月10万円くらい入ってくるくらい売れないかなあ・・・・とかね。夢というほどの大それたものではない。目標かな。
しかし、この目標さえも高い高い壁として僕の前に立ちはだかっている。
この壁は壊したい。でも、そのために音楽制作時間を増やしてしまうわけには行かない。生活の方がおかしくなってしまうからね。
高齢化社会の中で生きて高齢化社会を歌うシンガーソングライターtsTomは、音楽をゆっくり創ることが正道なんだ。