中学2年の夏休み前のある土曜日。期末テストの勉強のために深夜まで起きていた。途中ブレイクタイムにはラジオを掛けたりした。
そしてラジオ関東にダイヤルを回した。そしたら、
聴いたことのない、いかした音楽が流れてきた。
しかも曲間のMCが英語だ。
しばらくしたら落ち着いたトーンの優しげな女性の声に切り替わった。日本語だ。
それがラジオ関東(現在のラジオ日本)「全米TOP40」との出会いだった。番組MCは英語原版がケーシー・ケイスン、日本語での解説が湯川れいこさんだ。
僕がチャンネルを入れたのは番組の終り近く。今週の全米トップ3の発表のあたりだった。1位がアメリカ「金色の髪の少女」。これがもう、抜群に素晴らしい曲だった。明るくてほんわかしていてはじけていて、一度聴いたら忘れられないメロディーと声。
これが本当のアメリカンポップスなのだ、と感じた。
純度100パーセントのまじりっけなしの正真正銘のアメリカンポップス。バンド名が”アメリカ”だからではない。アメリカで制作された洋楽はそれまでにも数限りなく聴いていたはずなんだけど、イメージとしてはブリティッシュ/フレンチ/ヨーロピアン他いろんなテイストが混ざり合う音楽だった。でも、この番組で掛かる音楽は、何から何まで絵から抜け出たようなアメリカンテイストに包まれていた。
もちろん日本の洋楽番組では掛からない曲たちだった。
すっかり魅了された。
翌週からは、毎週土曜日の夜10時から深夜1時までの3時間をワクワクしながらラジオの前に座るようになった。
湯川れいこさんも当時の僕の中でのお気に入り音楽評論家第1位となった瞬間だった。
衝撃だったなあ。