とまあこんな感じで毎日ラジオばかり聴いていた。
その頃の僕の憧れの職業はラジオのディスクジョッキーだった。
で、ラジオのディスクジョッキーになるためにはアナウンサーか音楽評論家になるのが近道なのかなあと思っていた。
母に「将来アナウンサーになりたいんだ」
といったら、
「つとむ、じゃあ喋る練習をしなくちゃね」
ということで僕は学校の教科書の朗読を一生懸命やったりしていたなあ。実にいたいけな少年だった。
まあ、僕は渇舌悪いから先天的に喋る系の職業は向いていないのだが、少年にとっては未来は海原のように目の前に広がっているからね。そこにたどり着くまでの困難さのことは考えちゃいない。