このニルソンの「Without You」は、バッドフィンガーというロックバンドが1970年に発表したシングルをその1年後にカバーしたものである。しかしこの曲はニルソンの歌声とともに全世界中に知られるようになり、大ヒットした。
そしてそのあとにマライア・キャリーが1994年にカバーした。こちらもシングルカットされて大ヒットした。
今の人たちにはマライアのナンバーというイメージが強いと思うし、僕もマライアのめちゃくちゃ洗練された表現がこの楽曲の最極上のメロディーを見事に普遍化してくれていて、大好きなカバーだ。
しかしこのニルソンの鬼気迫るとも言うべき切々とした感情表現はもう一世一代というかポップス史上類を見ないくらいの涙腺破壊力を持っていると思う。
ニルソンがこの曲を発表した頃は僕は小学校4年生で、流行歌とは関係ない世界で遊んでいた。この曲を初めて聴いたのは、たぶん中学三年か高校一年くらいだったんじゃないかなあ。「極めつけの名曲」みたいな感じで、ラジオで掛かるのを心待ちにしていたような記憶がある。